特集3.茶園観察に出かけよう
4:摘採時期は情報収集のチャンス


茶園で交流する生産者

■4-1.他所の茶園と比較する

萠芽から摘採の時期は、茶園の生育実態に関した情報収集のチャンスです。自分の茶園に閉じこもって自己流の管理方法だけで管理している生産者と、広く交流して多くの茶園と比較した結果から自分の茶園管理を反省したり計画を立てたりする人とでは、結果に大きな差が生じるはずです。忙しい中でも近隣の生産者と会話したり、参考にする茶園を訪れたりして積極的に情報収集しましょう。

乗用型摘採機

■4-2.新しい試みをしている生産者から話しを聞く

茶園造成や茶園管理の機械化、組織化など、先駆的な試みをしている茶業者が増えています。今後の経営に導入しようと考えている方は、先駆的に行っている人から直接話しを聞きましょう。摘採中や摘採後は、話しをする側でその成果を感じ取った直後であり、生の情報を熱いうちに得られる良いタイミングです。
たとえば乗用型摘採機の導入を検討しているならば、機械摘採を行っている茶園で作業環境を視察する、茶園主に会ってメリットデメリットを聞く、摘採葉を見せてもらい品質をチェックする等によって新鮮な情報を得られると思います。


山の息吹(2001/04/06)
静岡県茶業試験場実証ほ

やぶきた(2001/04/06)
静岡県茶業試験場実証ほ

■4-3.品種の芽伸びを見に行こう

品種は開発から普及までに長い年月がかかるため、新品種を導入するにも生の情報を収集する機会は限られています。改植を考えている人にとって、芽が伸びている時期が導入品種について生の情報を得るチャンスです。品種について判断するには専門的な知識が必要ですが、試験場などに行って実際に見れば、早晩生や芽の特徴などを肌で感じることができます。

右写真は、4月6日に静岡県茶業試験場実証ほで撮影した「山の息吹」と「やぶきた」の比較です。この時はやぶきたが萠芽から1葉期であったのに対して山の息吹は2葉期を迎えていて、およそ10日ほどの品種間格差が見られました。
(試験場の品種データではやぶきたとの早晩生は-5日程度となっています。この生育差拡大は、山の息吹が南斜面にテラス式に植えられていることが原因と思われ、芽が進むにしたがって解消されてくると思います。)

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特集3もくじ 3-1:芽数と芽重3-2:原因追求3-3:気象の影響3-4:情報収集

 

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