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基本編ロゴ[気象立地]3.防霜方法

◆W007.散水氷結法

ドイツで考案された防霜法で、気温が低下して凍霜害を受けるような時にスプリンクラーで散水し、茶に付着した水分が凍って潜熱を放出することを利用して新芽を0℃に保つという方法で、2℃になるとスプリンクラーが稼働するようセンサーで設定します。ただし、重ねて凍結させることで効果があらわれるため、保温効果を出すには毎時3mmの散水が必要。日の出後の気温が5℃程度上昇して葉の表面に付着した氷が滑り落ちるまで散水を続けるため、1時間あたり3〜4t/10aの水を要し、経済的負担が大きい。

 

◆W008.被覆法−棚がけ被覆

被覆法は、茶株を被覆して茶株面や地面からの放射熱を吸収し、逆放射して芽の温度が低下するのを防ぐ方法です。
棚がけ被覆は、茶株のまわりに高さ2mほどの被覆架台をつくり、保温性の高い黒い資材で被覆します。被覆した内部の容積が大きいほど放射熱が得られます。高さは株面から90cmくらいが適当で、萌芽期の20日ほど前から被覆します。被覆資材は黒または灰色の光線透過率40%以下のもので、材質は塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンなどの化学繊維で作られた寒冷紗シートが用いられます。
棚がけ被覆は、おおいした茶として品質向上や摘採時期コントロールにも利用できます。しかし、労力とコストがかかり、防除等の管理作業に支柱が妨げとなるためあまり普及していません。

◆W009.被覆法−トンネル被覆

簡易な被覆法としてトンネル被覆の方法があります。支柱を茶株より40cmの高さに弧状に立てて、透過率80%程度の白の寒冷紗で被覆します。被覆時期は棚式と同じ。メリットとしては、芽の早出しを兼ねてそのまま摘採までおけることですが、保温効果は棚式よりも低く、強い霜害を受けるところには適しません。

防霜ファン
防霜ファン

◆W010.送風法−防霜ファンを詳しく知る

防霜ファンの効果とは?
霜が降りるような夜は茶株面の高さが最も冷え込み、上空のある高さまでは高度が高いほど気温も高いという「気温の逆転現象」が起こります。地上6mのところの気温は、茶株面よりも4〜5℃高い。その高いところにある暖かい空気を下方向へ送ることで、茶株面の気温を高めます。

効果の度合いと範囲は?
防霜ファンの効果は、気温の逆転度や地形によって異なります。送風機からの距離としては、5〜6mがもっとも効果があり、直下では効果がありません。また、気流に逆らって送風されると効果が落ちます。したがって、設置する場合は、茶園の春季の気流が主にどの方向か、気温の逆転現象の状況はどうかなどの調査が必要です。また、山間部や気温低下の激しい立地では、設置台数を増やします。


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