基本編ロゴ [防除]5.茶の病気

◆BY001.輪斑病

特徴
輪斑病は、摘採や整枝の切り口から分生子が付着して感染します。感染、発病は気温の高い時期が適していて、二番茶・三番茶摘採期が発生期となります。やぶきたはとくに発生しやすく、摘採機や茶袋などが伝染の原因となっています。

防除
摘採後1日以内に薬剤散布します。
摘採後の時間が経つほど効果が薄れます。

 

有機塩素剤 ユーバレン水和剤 600〜800倍
  ダコニール1000 700〜1,000倍
ジカルポキシイミド剤 スパットサイド水和剤 1,000倍
その他系統剤 ベルクート水和剤 1,000倍
  フロンサイド水和剤 2,000倍
天然物剤 カスミンボルドー水和剤 1,000倍
  カッパーシン水和剤 1,000倍

◆BY002.新梢枯死症

特徴
輪斑病の病葉が伝染源となります。新梢枯死症は包葉の取れた痕から感染しやすい。包葉から不完全葉が離脱する2〜3葉期に雨が多いと発生が多くなります。
感染から枯死に至るまで約40日と潜伏期間が長く、即時には感染を判断することはできません。輪斑病、新梢枯死症の前例のある茶園では、菌が茶園に存在するものと考えて防除する方が安全です。

←茎の病徴

切断部から発病し、徐々に下の方へと拡大する。
黒褐色となり、枯死する。

   

 

有機塩素剤 ユーバレン水和剤 600倍
  ダコニール1000 700倍
その他系統剤 ベルクート水和剤 1,000倍
  フロンサイド水和剤 2,000倍
天然物剤 カスミンボルドー水和剤 1,000倍
  カッパーシン水和剤 1,000倍
  ベフドー水和剤 500倍
防除
最終摘採後の新芽の萌芽期に防除します(三番茶を摘採しない茶園は、三番茶の萌芽期、摘採する茶園は秋芽の萌芽期) 。
萌芽期から一葉期に2回程度薬剤散布します。

髪の毛病
髪の毛病の被害

◆BY003.髪の毛病

最近、髪の毛のような筋状のモノが枝にからみつく「髪の毛病」について、よく質問されます。茎の部分に伸びているモノは菌糸で、とても強く薬が効かない菌糸です。研究機関においてさまざまな研究がなされていますが、今のところ効果のある薬剤はなく、見つけ次第部分的に除去して焼却するしかありません。
風通しや日当たりの悪い茶園で発生しやすく、菌の生育適温は24〜28℃。梅雨時期や秋雨期の湿った時期に活発化し、多発すると摘採面まで菌糸が伸びます。

髪の毛病の菌糸は製茶しても最後まで菌糸が残るためクレームの原因となります。最近は遺物混入が非常に厳しくチェックされますから、摘採時に混入しないよう注意が必要です。


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