基本編ロゴ[防除]19.ヨモギエダシャク

◆M018.ヨモギエダシャク

ヨモギエダシャクは夏から秋にかけて発生が多く、サナギで越冬して年3〜4回発生します。周辺に樹木や木造小屋、被覆資材などが置いてあると、そこに産卵して発生します。ふ化した幼虫は糸をはいて垂れ下がり茶園の中に入ります。1齢幼虫は2〜3mmですが、終齢幼虫は50mmほどに達し、6齢を経てサナギとなります。体の色は周期によって変化し、背中の部分に2つの突起があります。

被害葉(円内は若齢幼虫による被害)
小屋の壁や樹木の皮下に産卵
ふ化幼虫(2mm程度)
蛾成虫

●被害

若齢幼虫は若葉を好んで食害し、葉に小さな穴をあけます。成長すると硬化した葉も縁から食害し、葉柄だけが残ります。ひどい被害だと枝が残るだけで著しい減収となります。

●防除

ヨモギエダシャクは大きくなると薬剤の効果が低下するため、4齢幼虫以前(20mm)に防除します。2回目以降は発生がだらつくので、右写真のような若齢幼虫による若葉の加害を発見したら早めに防除するのが望ましいです。
成虫に至った場合は、防除の適期は発蛾最盛日の約10日後です。夏は連続的に発生しますから、誘蛾灯による誘殺状況を観察して適期を逃さないことが重要です。

株内部にも潜んでいますから、株の中に達するように散布します。また、茶園周辺の産卵場所を除去するなどの対策を行ってください。

●主な登録薬剤

IGR剤 アタブロン乳剤 2,000倍
有機リン剤 カルホス乳剤 1,500倍
  エンセダン乳剤 1,000倍
合成ピレスロイド剤 テルスター水和剤 1,000倍
  ロディー乳剤 1,000倍
  Mr.ジョーカー水和剤 2,000倍
BT剤 チューリサイド水和剤 500倍

 

『目で見る茶の病害虫』(社)静岡県茶業会議所
『農作物病害虫診断ガイドブック』 静岡県植物防疫協会

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