基本編ロゴ[管理手法]5.秋整枝の時期

秋整枝時の平均気温と再萠芽率
静岡県茶試

◆B009.秋整枝後の萠芽は危険か?

秋整枝後に開葉した場合は芽の多くは利用できませんが、萠芽したからといって必ずしも被害にはなりません。農林水産省の研究にありましたが、包葉が開いてしまうと冬を越すときに表面の葉が包葉の代行をするそうです。茶樹のもつ自然の抵抗力ですね。萠芽率が20%以下であれば、生産に影響しません。


◆B010.開葉するとどうなる?

平成9年だったと記憶しますが、暖冬の年に高知県で秋整枝後に開葉した茶園を視察したことがあります。茶園でも日当たりのよい部分だけが黄色く芽が開いていました。そこは一番茶の収穫は皆無でした。 また、静岡県の浜岡で講習を開いたときに、整枝位置の説明を現場で行ったのが9月18日でした。その後、その茶樹がどうなったか知りたかったので技術員の方に調査結果を伺ったところ、やはり開葉したために収穫はできなかったとの結果でした。その時の平均気温を調べたら23℃くらいでした。同じ浜岡で、9月25日に秋整枝の講習を開いたときにも整枝しましたが、その茶樹は開葉しませんでした。そのときの平均気温は21℃でしたから、「平均気温が18〜19℃以下で秋整枝を」というのは、かなり安全圏と言えます。

適切な時期の芽 萠芽・開葉した芽

 


※枠芽数は20cm×20cm内の芽数

静岡県茶試

◆B011.整枝の深さと時期が一番茶に及ぼす影響

秋整枝の深さと時期は、翌年一番茶芽に影響します。右上のグラフからは、整枝を深くすることにより芽数がおよそ1.5倍に増えることがわかります。また、秋整枝時期を遅く(10/26)し、深く整枝したデータは、芽重が落ちています。これは、越冬芽形成の期間が短かったものと思われます。

※処理時期については、静岡県の条件下で試験されていることを考慮してください。


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