基本編ロゴ[生理生態]1.葉の機能
一番茶の芽

◆C001.葉の機能

葉は地上で蒸散、呼吸、光合成の活動をしています。茶の生育に必要な養分の生成は、すべて葉の光合成によって得られた糖質やでんぷん質にかかっています。葉は茶樹の原動力ですね。

  • 葉の機能:光合成・蒸散・呼吸
  • 影響:養分生成・根の生育・機能活性化
  • 葉の大きさ:普通園でおよそ10〜15cm2
  • 葉数:1株当りおよそ2,000〜3,000枚

◆C002.葉のサイズ

葉のサイズに基準はありませんが、長さ7cm,幅2cmよりも大きければ「葉が大きい」と言えるでしょう。葉が大きい方が光合成能力が高い(※)わけですから、まず1枚1枚の葉っぱが大きいことが、茶樹の健康のバロメーターになる。次に、その葉っぱの付き方。葉層が厚く、立体的について光合成機能を効率的に行える付き方をしているのが理想的です。

※新しい葉に限る

基本編ロゴ [経営]葉面積指数

◆C003.葉の量と光合成能力は季節でこんなにちがう

右のグラフを見てください。6〜11月にかけて光合成能力が急速に活発化し、それに伴って葉量も増えます。夏の成長が活発な時期に成熟した葉をたくさんつけて、光合成能力が高まる10〜11月の準備をしてあげることが大切なのです。

◆C004.光合成ではたらく摘採面の葉

光合成ではたらく葉は、葉層のうち摘採面から深さ5cmまでの葉です。摘採を終えて残された葉、三番茶をやめて残った葉。これらの葉が成熟して秋(10〜11月)を迎えて、光合成を活発に行い、次の収穫までの生育エネルギーを作り出します。葉は古くなるほど光合成能力が弱ってきますから、摘採整枝は浅めに行って、できる限り新しい葉を残してやるのが、来シーズンの収穫を維持するために重要な事です。


葉層

◆C020.葉層が厚いor薄いとは?

園相が良い茶園の要素の一つとして、葉層の厚さがあげられます。葉層は、数値で言えば8cm以上が望ましい。葉層が厚ければ茶園の葉面積が高く、それだけ茶樹の養分生成能力が高いと言えます。ですから厚さだけでなく、その葉層が機能の高い新しい葉で構成されていることが理想です。
葉層の厚い茶園をつくるには、根が広く深く分布し、太い枝茎が張っていて葉の一枚一枚が健康であることが必要です。栄養状態が悪いと伸び切れない芽は枝としての機能が低いために株の中で枯死して、葉層の薄い茶園になります。


◆C020-b.葉層はなぜ8cmほしいのか?

葉面積指数と収量とは、かなり高い相関関係にあります。
経営上望む収量から考えると、茶園の葉面積は土地面積の4倍以上欲しい、つまり葉面積指数=4.0が経営的に望む収量を得るために必要な葉層と見られているのです。「葉層は8cm以上欲しいですよ」のコトバには、単に葉層の厚さだけでなく葉の枚数や大きさを含めた葉面積を意味しているのです。


ロゴ
 木村塾TOP 木村先生プロフィール 基本編もくじ  

お気軽にご意見ご感想をお寄せください。

お茶街道文化会
主催:カワサキ機工株式会社

ochakaido@ochakaido.com