You are here: TOPPAGE 歴史探訪案内 昔ばなし 第12回洞善院の馬頭観音  

昔ばなし

洞善院の馬頭観音

昔、金谷に清八という者がおりました。
ある日、一人の六部が清八のところへやってきて一晩泊めてくれとたのみました。
気のよい清八はお安いご用だと、その六部を泊めてやりました。

ところが、これが悪いやつで、夜中にふとんを盗みだして忍び足で逃げ出しました。
ちょうど馬小屋の前までくると、そこにいた馬がふとんの端をくわえて引き留めました。
驚いた六部が振り返ってみると、その馬が

「おれは長らくこの家に飼われている馬だ。今お前が主人のものを盗みだすのを見て見ぬふりすることは出来ん。しかし、ひとつ頼みがある。ほかでもないが、おれには今、死期が来て、間もなく死ぬるが、お前はおれが畜生道から免れて、来世は人に生まれ変われるように弔ってくれないか。頼みというのはこの事だ。」
と、人のことばでしゃべったので、六部は縮みあがって寝間へ戻り、夜が明けるのを待ちました。

夜が明けるとさっそく清八のところへやってきて、昨夜の話を告げて罪をわびました。
清八も驚き、その馬のところへ行ってみようと、二人で馬小屋へ来てみると、馬はすでに倒れて死んでいました。
清八は洞善院の住職に起こったことを話し、ねんごろに供養し葬ってやりました。そんなことがあったので住職は洞善院に馬頭観音を建てたそうです。

※六部:旅の修行僧


*参考:武市光章著『大井川物語』

 

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