11月号 5.生育状況
-茶園は均一性がとれていて樹勢がいいか-


樹高審査●11-5-1.生育状況

茶樹の高さ

茶樹の高さは70cm±10cmを満点としてこの範囲外を減点します。計測の仕方は、茶樹の頂部から畦間の地面までの高さです。 樹高の評価には二つの要素があり、ひとつには作業性に適した高さであるかどうかを評価しています。もうひとつには、茶樹の生理生態から樹高が高すぎると樹量が多くなり、地上部と地下部のバランス(TR率)が悪いとみられます。

基本編ロゴ 地上部と地下部のバランス(TR率)
株張り比率

株張り

畦幅に対する株張りの比率で評価し、80%以上を満点とします。たとえば、畦幅180cmの茶園で株張りが162cmならば90%ということで、畦間は10%となります。

茎の太さ
細い:
1.5mm未満
普通:
1.5〜1.8mm
太い:
1.8〜2.0mm以上

分枝

分枝は太くて比較的数が多くて均一なことが理想で、枝の組織が若いことも評価されます。評価の仕方は、本数は20×20cmの枠内の本数、太さは3〜4ヶ所で各10本くらいをサンプリングして計測します。

私は「1〜2年生の枝:3mm以上、3〜4年生の枝:5mm以上」をおおよその基準にしています。細い枝からは太い芽が出ませんから、枝の太さは翌年の一番茶の良否に関係する重要な項目です。

ロゴ [4月号-5]一番茶後の更新
花芽のカウント

着花

幅20cmの帯枠を使い、その中に着花数が40ヶ以上あると減点とし、3ヶ所程度を計測します。花が多いことは、弱い三番茶芽の頂芽が多かったことを示しています。

ロゴ [10月号] 花芽の分化
摘採面積率
摘採面幅/畦幅×100=摘採面積率

摘採面積率

摘採面積率とは、土地面積に対する摘採面積の割合です。たとえば畦幅180cmの茶園で、摘採面の弧の長さが180cmならば100%となります。

樹勢

樹勢とは茶樹の栄養状態そのものです。他の項目で葉色や根の状態などが部分的に評価され、樹勢の項目ではそれらの総合的な状態を茶園全体を見た感覚的な評価として審査されます。審査にあたっては出品茶園の相対的な優劣で判断され、審査員は目揃い会でモデル茶園を評価し、それを基準にして審査します。

ロゴ [序章] 再生能力の高い茶園

均整度

茶園全体を観察して、地上部の生育に凹凸がないか、株が欠けていないか等の均整を評価します。

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11月号もくじ 11-1:共進会 成木園の部11-2:栽培方法と地上部11-3:土づくり11-4:根の生育と葉相11-5:生育状況11-6:幼木園審査|幼木園の部

 

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お茶街道文化会
主催:カワサキ機工株式会社

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