11月号 2.栽培方法と地上部の栽培管理
-地上部の管理技術を評価します-

●11-2-1.栽培方法

栽培方法では、畦間、畦幅、畦の高さ、樹型を評価します。これらは主に茶園の作業性について評価する項目で、畦幅などは造成時に決めたら変えられません。今造成を検討している方も機械化を見越した茶園づくりが必要です。

項目 審査方法 基本編ロゴ
●畦間 25cmで満点。それ以下は減点の対象となります。  
●畦幅

150〜200cmが適、それ以外は減点。乗用型茶園管理機摘採茶園では、180cm以上必要です。

植え溝づくりと植え方
●畦の長さ 20m以上が適、20m以下だと減点。畦が短いと旋回が多くなり、作業性が悪いからです。 畦の長さと作業性について
山間地茶園は等高長辺かテラス式に
●樹型 摘採機に合った樹型ならば良しとされます。しかし、生理生態上不適とされる三角型や半円型、水平仕立は減点の対象となります。 乗用型摘採機の弧と茶株
良くない樹型とその理由


●11-2-2.栽培管理(地上部)

栽培管理は、耕うん・整枝・病害虫等について高いウェイトで評価されます。(耕うんは次ページの地下部で説明します。)

整枝

整枝は秋整枝の深さ、時期が適切かどうか、均一に行われているかを評価します。整枝を採点するとき、翌年の一番茶芽を均一に出すような整枝が行われているかを見ます。とくに整枝は頂部を深くしがちで、裾部を浅くしやすいので注意が必要です。 また、 均一に整枝するためには夏芽を均一に伸ばす必要がありますから、秋整枝の作業だけでなく夏期の管理状況の評価にもつながります。

ロゴ [8月号]秋整枝基礎編
[9月号]秋整枝実践編

病害虫

ケナガカブリダニ(雌)
ケナガカブリダニの成虫(雌)

病害虫の被害痕跡も評価の対象となります。しかし、過剰な薬剤散布も問題ですから、生産にそれほど影響を与えない発生率であれば減点しません。病気では、炭そ病、輪斑病、新梢枯死症、もち病など。害虫では、最近はクワシロカイガラムシ、ハマキムシ類の被害が多く、カンザワハダニ、チャノキイロアザミウマ、チャノミドリヒメヨコバイなどが見られます。また静岡県では、最近ホコリダニが部分的に増えているように見受けられます。

適期を捕らえて防除を行えば、散布回数を増やさなくても効果は得られます。それが防除のテクニックですから、体験を重ねて高い技術を身に付けましょう。茶園をよく観察して適期をつかむことが大切です。発生予察情報に注意し、ケナガカブリダニなどの天敵を保護するなど環境保全型の管理を行いましょう。

基本編ロゴ 病害虫との共存
たたき落とし法
←前ページへ ロゴ 次ページへ→
 

11月号もくじ 11-1:共進会 成木の部11-2:栽培方法と地上部11-3:土づくり11-4:根の生育と葉相11-5:生育状況11-6:幼木園審査幼木の部

 

お気軽にご意見ご感想をお寄せください。

お茶街道文化会
主催:カワサキ機工株式会社

ochakaido@ochakaido.com